富士前公園

不忍通りと本郷通りが交差する上富士前交差点で六儀園と体格の位置にある公園。表通りからは２つほど裏手にある住宅街の中の公園。「富士前」の名前はこのあたりの旧町名らしく、近くにある富士神社からつけられたと思われる。ちょっとだけ富士塚的なものがあると思って期待したが、そうではないらしい。

公園を探しながら不忍通りから入ると、信号のある交差点の向こう側にうっそうと木が茂った公園が見えた。けっこう日陰が多く、悪く言うと暗いじめじめした印象がある。そんなことを思いながら公園に入る。

公園内には数人の老人らしき人影はある。平日の朝だったので子供の影は無い。目の前には少しこんもりとした山と階段がある。山の周囲・・・というか周辺全体なのだが、つつじみたいな低木で覆われているのかと思ったら、けっこう雑草見たいので無造作に覆われているだけだった。かなり荒れた印象。山の上もうっすらその延長みたいな雰囲気は漂っていたのだが、山の両脇には老人たちが居て、せっかくの朝の憩いの場を邪魔してはいけないと言う気持ち半分と、怖いもの見たさ半分くらいの気持ちでコンクリートの階段をゆっくり上がった。

 登りきってみての印象派「嗚呼、やっぱり」。予想通り山頂は草ボーボー。花壇らしき中の低木も茂りすぎたせいか、形が崩れてあふれてしまっている。もうちょっと雑草が伸びていたら、踏み込むのを躊躇してしまいそうなくらいのレベルだ。頭の中に浮かんだのは、かの松尾芭蕉が平泉を訪れて詠んだとされる「夏草や兵どもが夢の跡」の句。・・・・明らかに廃墟的なにおいがする。

 

しょうがないので、先に進む。今度は山の上から遊具がある広場が眼下に広がっていた。目の前には何かわからないコンクリートの建造物・・・・というか土台の跡みたいなのがいくつかみえる。もう頭の中は廃墟とか遺跡のイメージになってしまっているので、何を見ても遺跡に見えてしまうのだが、・・・・まぁ誰が見ても遺跡みたいだ。ちょっとインディージョーンズ的な気分で階段を下りていった。

ううむ、コレはいったい・・・・。

 白いペンキがところどころはげた、どうやら船をかたどったらしいコンクリートの土台のようなもの。古ぼけ具合からすると、この公園が開園した昭和３０年代後半に造られたものと推定されるが、当初はこの上に何らかの建造物があったのか、それとも初めからこのまんまだったのか・・・・。思わず歴史のロマンに空想を広げてしまった。・・・・このまんまじゃ、船に乗った気分にもなれないし、高さ的にもスリルも何も無いし・・・・やはり、この上に何らかの、たとえば木の遊具があって、それが老朽化して撤去されたのか・・・・。見てみると選手のほうに、少しだけ摘みあがった部分がある。コレは何の意図なのか・・・・。もう空想はとまらない。まぁアート的な謎の遊具たちも作られていた時代なので、こちらの創造とか予測は通じない。

「船」の向こうには「魚」と「堤防」。こちらのほうは上部だけがピンクのペンキが塗られている。やはり土台なのか・・・。しかし船ならわかるが、魚の形の上に何を造ると言うのか・・・・・・。コレを見ると初めから上には何も無かったような気もしてくる。

遺跡には謎はつき物ではあるが、・・・考えてみたらここは現役の公園なのだ。もうちょっとなんとかしようよ。

いちおう、この公園にも普通の遊具～ブランコとか滑り台はある。おそらく滑り台なんかは作りかえられたものだろう。そんなに新しくは無いが、ぼろぼろといった感でもない。・・・でも周囲の遺跡オーラが、あまり新しくは見えないようにしている。

　

 ふと見ると砂場の前のポールみたいなの。これもまた謎のコンクリート建造物である。コレも・・・というかこっちのほうがさらに遊び方が想像が出来ない。

なんだか富士前公園というよりも富士前遺跡といった雰囲気になっている。

富士前公園（東京都文京区本駒込５丁目１７）

区立公園：面積１９６５㎡

コメント 3

　2013年1月25日に東京地裁で傍聴した事件、に出てきた公園名を検索、こちらの記事に辿り着きました。へぇ～、ほぉ～と拝読。最後の1行に腹を揺すって笑いました。うまいですね。
　ただ、記事の日付の2カ月ほど前に、この公園で、なんとも言い難い事件があったのです。どうやら報道はされてないようですが。これからレポートを書くところです。この記事のURLを紹介させていただきます。
　ありがとうございましたっ。
by 自称裁判傍聴師 (2013-01-25 21:51) 

数日前Ingress遠征でこの公園の前を通ったのですが、全く状況が違いました。かなり見通しがよく、小綺麗な公園でした。
by NO NAME (2014-09-05 08:46) 

今度行ってみてみたいです
by waradutoya (2014-09-05 23:50)